平成29年度 家族勉強会

2018.02.01

第2回 家族勉強会

11月11日(土)「よりよい家族関係を学ぶ ~自分を知り、自分を生かす:ストローク~」と題して、津島カウンセリングセンター主事の犬飼三郎氏より学ばせていただきました。

犬飼氏の家族勉強会は3回目となり、今回もただ先生のお話を聞くだけではなく、グループワークがあり、出席された皆さんのお話や意見を聞くこともでき、より勉強になりました。

今回は、ストローク(人の存在や価値を認める言葉や行為等の刺激)について学習しました。はじめに、カウンセリング手法での「よりよい人間関係基本理念」についてお話いただきました。1.来談者中心(相手中心に考える) 2.共感性(見守る、寄り添う、聴くに徹する) 3.勇樹的人間観(自分なりの生き方を持つ、他人と比べない) 4.純粋性(こだわりをいったん棚に上げる) 5.アセスメント(その人を知る)について、自分で大事だと思う順位をつけて、それぞれ違っていてよいと知ることもできました。そして、ストロークには肯定的、否定的の両方があり、それぞれに身体的・心理的・言語的の3つに分けられ、自分の対人関係のくせについてチェックリストを使って採点しました。他人を変えるのではなく、自分を少しでも変えることで、よりよい人間関係が生まれるとのお話でした。

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第1回 家族勉強会

9月9日(土)名古屋市総合リハビリテーションセンター 第1リハビリテーション部長の小川鉄男先生をお迎えして、

「高次脳機能障害者・家族のメンタル支援」と題してお話いただきました。

高次脳機能障害に関する基礎知識に続き、後遺症によってもたらされる症状の一つである社会的行動障害について解説して、そして私たちが頭を悩ませる後遺症の問題点にスポットをあててお話いただきました。とりわけ、脳外傷者の場合、食事、排泄、着脱衣、入浴、移動、寝起きなど、日常生活を送るために必要な基本動作は、自立していても、社会復帰(就学・就労)となると困難です。

経験と予測をもって適切な判断・行動ができていた以前とは異なり、記憶障害や遂行機能障害があるために、あらゆる場面で「困りごと」が生じます。しかし、当事者本人は「困りごと」として、なかなかとらえることができません。一方、支える側の家族は、受傷から年数が経つにつれて、介護負担感は増加するというデータが得られているそうです。一人一人その症状や困りごとは違いますが、その原因は障害に由来するということを折に触れて説明し、リハビリも含めて今後について本人がどうしたいか、長所を生かしながら選択していくということは、「時間はかかるけれど、将来的に耐久性のあるものになる」とのことでした。家族は、ともすれば当事者本人のさまざまな変化に打ちのめされがちですが、主治医や臨床心理士・施設職員など、専門スタッフと情報を共有し、常に同じ方向で支援していくことで負担感はかなり軽減されると、改めて感じました。